私たちは見たいものだけを見ている①
あなたが見ている世界、それは本当に“現実”でしょうか?
たとえば——
人によって、同じ映画を観てもまったく違う感想を持ち、
同じ記事を読んでも、まったく正反対の意見を持つ。
なぜ、そんなことが起きるのでしょう?
実はその答えは、脳の“ある働き”に隠されているのだそうです。
■ 見えていないのに「見えている」と感じる:視神経乳頭(盲点)
私たちの目の中には、“光を感じない”場所が存在します。
それが「視神経乳頭(盲点)」です。
この部分には視細胞がなく、映像は映っていません。
でも、不思議なことに、私たちはその“穴”にまったく気づかずに生きています。
なぜか?
→ 脳が周囲の情報をもとに、空白を“もっともらしく”補ってくれているのです。
■ 実は目の解像度はそんなに高くない
目の中心部(黄斑)を除けば、網膜の大部分は解像度が低く、
しかも色も曖昧にしか認識できません。
それなのに、
私たちは「視界全体が高解像度で見えている」と錯覚しています。
→ 実際には、目は常に動き回り、脳が過去の情報と統合して、“滑らかな世界”を合成しているのです。
つまり、
私たちは“実際に見ている”のではなく、“見えていると思っている”だけ。
それでも不自然に感じないのは、脳がとても器用に“もっともらしい現実”をつくってくれているからなのです。
■私たちは世界を、見えている気でいるだけ。
目に映っているからといって、それがそのまま「現実」とは限りません。
私たちはつねに、自分の価値観をもとに、この世界を再構成して見ているのだそうです。
だからこそ——
- 「どう見えているか」ではなく、
- 「どう見ようとしているか」。
この自分の偏りに目を向けてみないといけないのかもしれません。
逆に言えば、自分が変われば、「世界が変わる」とも言えそうです。