「知識」について
組織がうまく機能するためには知識の共有が不可欠と言われています。
この知識という言葉。普段何の気なしに使っている言葉ですが、これが意外と奥が深い。
ある一つの知識を組織内に浸透させることを考えます。
最初は1人の人間の頭の中にあって、なんとなくぼやっとした知識です。これを暗黙知と言います。
暗黙知のままでは人に伝えることができませんから、ぼやっとしたものから、輪郭がはっきりしたものにする必要があります。この時に、「言語化」を行います。
言語化された知識を形式知というらしいです。
1人だけが知識を持っていても組織内ではあまり機能しませんから、これを組織内のメンバーに伝えていきます。
そうして個人知が集合知になります。
個人知が集合知になるには、情報が円滑に伝わり、共有されなければいけません。この際に重要になってくるのがコミュニケーションであり、コミュニケーションをスムーズにしようと思うと、メンバー間の関係性が良好であることが大切になってくるのです。最近よく言われる、心理的安全性というものです。
こうして知識が組織に溜まっていき、生産性が向上するというわけです。
知識の浸透におけるキーワードは「言語化」と「共有」。
日頃から言葉の力をつけることと、人間関係を構築することが、いかに大事かと痛感します。
参考文献:野中郁次郎、遠山亮子、平田透(2010)『流れを経営する―持続的イノベーション企業の動態理論』、東洋経済新報社