『風が吹いている』いきものがかり

─ いきものがかり『風が吹いている』(2012年)

時代はいま 変わっていく 僕たちには願いがある この涙も その笑顔も すべてをつないでいく

風が吹いている 僕はここで生きていく 晴れわたる空に 誰かが叫んだ ここに明日はある ここに希望はある

君と笑えたら 夢をつなぎあえたなら 信じあえるだろう 想いあえるだろう この時代を 僕らを このときを

 

※以上、歌詞の一部を引用(著作権に配慮して抜粋)


『風が吹いている』という楽曲をご存知でしょうか。 いきものがかりが歌うこの曲は、2012年のロンドンオリンピックのNHKテーマソングとして制作されました。一見すると、スポーツの祭典にふさわしい希望と前向きさを描いた応援歌のようにも聴こえます。しかし、その背景には、2011年の東日本大震災で被災された方々への深い祈りが込められているのだそうです。

震災で多くの命が失われ、日常が壊され、人々は大きな喪失感の中にいました。この状況で、音楽が果たせる役割とは何か。『風が吹いている』は、そうした問いに対する一つの答えになっています。

「この涙も その笑顔も すべてをつないでいく」 「君と笑えたら 夢をつなぎあえたなら 信じあえるだろう」

震災で味わった悲しみ、時に訪れる喜び、これらを受け継ぎ、未来へと“つなぐ”意志が込められています。 震災で亡くなった方々の死を無駄にしてはいけない。私たちは、彼らの遺志を引き継ぎ、次の世代へ希望を届ける責任がある。そう語りかけてくるようです。

東北の地がボロボロに壊されても、そこに残された人々は生きていかなければならなかった。

「風が吹いている 僕はここで生きていく」

風が吹いているという言葉には、この空の下でみんな繋がっているんだよ、という意味が込められているそうです。人間関係で悩むことだってある。そんなにみんなと仲良くなんてできるわけではない。だけど、そんなこと言ったって、結局のところ、ここで頑張ってやっていくしかないんだよと。

『風が吹いている』は、日本中の人たちへのエールソングです。そして同時に、「自分たちはこの時代にどう生きていくのか」と問うメッセージなのです。

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